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T.H.News_txt

 東京にはニュースポット、新名所が続々誕生して、ゴールデンウイークは賑わいそうです。皆さまにおかれましてもさまざまなご計画がおありのことと推察申しあげますが、リフレッシュウイークとなりますことを願っております。
 「本が好き」というキーワードを持つスタッフたち、若いスタッフはスマホを自由に操ると同時に「紙」にもこだわりを持っています。自分たちが日々受ける感動を「紙」とは少々疎遠な方々にも体感していただけたら幸いと考え、R.S.Booksと八重洲古書館では「やっぱり紙が好き!」をメインテーマにそれぞれの視点から「紙の本、紙ものたち」をご紹介いたします。紙が手放せない皆さまにもお楽しみいただけると思いますので、是非お立ち寄りください。
 去る4月17日に「八木福次郎さんを偲ぶ会」が明治大学紫紺館で開催されました。この日はご本人の97回目の誕生日とのことでした。永いこと古書の世界を見続け、日本古書通信の編集、発行をされてきたのですが、「名コラムニスト」であったと紀田順一郎さん出久根達郎さんが偲んでいらっしゃいました。八木福次郎さんと同い年という、崇文堂書店佐藤毅さんが大変元気なお声でお話しされているのを聴いて、三回り以上も離れた自分はもっとシャッキとしなければ今の若い者はと言われそうで、ついつい背筋を伸ばしてしまいました。
 昔ながらの我が古書業界には80歳代から20歳代まで現役店主が競い合いながら商いをしている故、業界全体として書物文化を伝承し続けることができるのだろうと思います。今後も幅広い世代が切磋琢磨することによって古書の世界が広まってゆくことを願っております。
 この古書業界にもデジタル化が進んでいます。事務的作業のデジタル化は以前から進んでいますが、交換会の入札もデジタル化へ向けて大きな一歩を踏み出しました。
 私がこの業界にお世話になったのはかれこれ40年前、この頃はいわゆる「振り」で取引が行われていて、買い手の声(金額)を巧みにさばく振り手は容易にマネをすることができない役目でした。市場(交換会)の賑わいを演出するのも振り手の力量がものをいい、落札するための真剣な戦いの場でありながら、ユーモアを交えて和気あいあいとした雰囲気を保つところはベテランのなす技でした。
 まもなく私も交換会のお手伝いをすることになりましたが、丁度「置き入札」方式へ移行する時となり、その移行に伴うご案内などを担当したことを思い出します。その後、置き入札が主流となり定着したのですが、流通量の肥大化や単価の下落は交換会を運営する立場からすると負担の増大に繋がる懸念となり、将来像が検討されてきました。もう10年以上前から。
 この10年と言ったら、書物の世界も様変わり、インターネットは誰もが利用するツールとなり、電子書籍も実用の時代です。古書店の店舗は縮小・減少傾向にありますがネット通販は拡大しています。当店は「日本古本屋」に出店していますが、アマゾンなど大手サイトを活用する古書業者はドンドン増えています。
 このような変化の中で取り残されたかのような「入札→開札」作業がデジタル化されて実戦可能となったのはつい先日4月12日のことです。画期的なことだと思います。紙と鉛筆からスマートフォン片手に入札する時が来たのです。本の仕分けや移動など人力に頼らざるを得ないことも多々ありますので、全面的なデジタル化ではありませんが、新たな取引方法、新たな仕組みの交換会誕生が目前です。
 デジタル化への開発とともに古書を発掘する力は磨き続けなければいけないと思います。丹念にふるい分ける手間を惜しまず、付加価値を創造してゆくことが古書の世界を拡げることでしょう。
 4月20日の日本経済新聞に、「痕跡本のすすめ」を書いた古沢和宏さんが紹介されていました。数年前に入社したスタッフは「書込本」に興味があると言っていたことを思い出しますが、出版物はその時代背景を秘めながら出版され伝えられています。書込や挟まれた物もその時代を語り、その読者像をも伝えてきます。ある意味の生き証人です。
 書込のある本について若いスタッフが言っただけではなくて、一冊の本となり、新聞にも大きく取り上げられる。ここにも時代の変化があるのだと感じます。つまり、古書にはいろいろな拡がりがあることを物語っているのです。
 今の経済状況を思うと、バブル期のような高額な評価を受ける書物たちはますます少なくなるでしょうが、評価額という価値観に関係なく、次の人に伝える何かを秘めた書物たちが今以上に多く流通することを願います。橋渡し役としてお役に立てれば幸いです。
 震災復興のさなか、福島原発の影響は大きくてご苦労されている方がまだまだ多いようです。今後予想される震災の想定も最悪のケースで議論されていて不安感が増してしまいますが、どのように身構え、対応すればよいのか、自分に合わせた想定をしっかりとたてることが求められているのでしょう。
 地震と言えば厄介もの、危険物扱いされる「書物たち」ですが、居心地よくしてあげれば暴れ出すこともないでしょう。書物たちとの「絆」も大切です。良い関係が末永く続きますように。
 金井書店では、書物をはじめ、本や雑誌に係わるさまざまなものを取り扱います。整理や処分のお手伝いもいたしますのでお気軽にご相談ください。皆さまのご利用をお待ち申しあげます。
         金井書店・花井敏夫

参考WEB
【日本の古本屋】 http://www.kosho.or.jp
【八重洲地下街】 http://www.yaechika.com
Twitter http://twitter.com/yaechika
【金井書店】 http://www.kosho.co.jp
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